<お遍路宿紹介>宿坊:第58番札所 仙遊寺『創心舎』
ご注意
本記事は当時の経験として残している記録になります、現在の営業を保証するものではありません。ご利用をお考えの場合は、施設に営業状況をご確認ください。
お遍路宿の紹介です。2017年の年明けに泊まらせていただいた、58番札所 仙遊寺の宿坊『創心舎』。宿舎自体は新しいのですが、お寺への親しみを感じられる宿坊でした。
2017/1/2宿泊
標高300mという高台にある仙遊寺。どれだけ高いかというと、
Googleマップのキャプチャより
これです。ひとつ前の札所である栄福寺に比べ、グッと標高が上がります。まさに、歩き&自転車遍路泣かせの寺。
車で来た参拝者が、山門の前を通り過ぎて、さらに上にある駐車場に向かっていきます。もちろん自転車も山門から入れないので、僕も坂を上がって行きます。
車なら今治インターチェンジからアクセスできます。
こちらは本堂。仙遊寺は天智天皇(大化の改新で有名な中大兄皇子のこと)の勅願により創建されたといわれる由緒あるお寺です。昭和22年(1947)に山火事による本堂などの全焼がありましたが、それでも再建されてからは半世紀以上経っています。
納経所で教えてもらった通りに、本堂の脇から宿坊へ向かいます。
“洋”を感じる真新しい宿舎。天然温泉にも入れる!
『創心舎』という名前があるみたいです。スタッフの方に予約の旨を伝えると、2階のお部屋まで案内してくれました。料金の支払いは翌日の朝とのこと。
踊り場で迎えてくれる塑像。
『観月』と名の付いた多目的なホールがあります。なぜかサンドバッグ。
しいたけも乾燥中。
定員100人というのですから、宿坊の規模としては大きい。このときスタッフの方に写経をやりたいと尋ねてみました。ダメもとでしたが、大丈夫だと思うとのこと。
僕が泊まるのは、『不動』という6畳のお部屋。
エアコン完備だったので助かりました。洗濯物もすぐ乾きそうですし。夏でも快適だと思います。
テレビはありませんが、自分に向き合える時間にできるのではないでしょうか。
部屋の窓からは、ちょうど北側の今治市街と、その先のしまなみ海道が望めます。来島海峡大橋の白い主塔の姿も。
トイレ。
洗面所。
入浴されていた方が出たということなので、地下のお風呂場へ向かうことに。写経の件ですが、19時から副住職が対応してくださるとのことでOKいただきました。
浴室の扉が2つあります。宿泊客の数によって稼働を決めるのでしょう。中から鍵がかけられるようになっています。
成分表には『仙遊寺温泉』との表記。低張性アルカリ性冷鉱泉、適応症は神経痛、筋肉痛、…などと書かれています。
風呂から上がって1階の勝手口の洗濯場へ。洗濯機は洗剤使い放題で100円。乾燥機も100円(13分間)。
18時に食堂へ。この日の宿泊客数は、僕を含めて4人。意外なことに、僕以外はお遍路さんではありませんでした。
懐石風の夕食。お正月だから豪華なのかと思いきや、いつもこんな感じのよう。部屋に戻ると、今治の夜景が輝き始めていました。
19時からの写経を受けに1階の部屋に行きます。
『持仏』という間。副住職がいらっしゃったのですが、見た感じお若い方だ。写経を初めてやるということで、それについて法話をしていただきました。短くまとめると以下の内容でした。
・写経はお経にまつわる事の中で、一番御利益がある。
・お経の教えを考えることよりも、読経よりも。
・弘法大師が嵯峨天皇に写経を勧めたところ、書き終わらないうちに人々の疫病などが治った。
お経を模写するだけのことなのに、そんなに大事とされていることとは知らなかったので驚きました。なお仙遊寺では、納められた写経はお焚き上げなどせず、すべて保存しているとのこと。火災以降のものすべてだというから驚きですね。
副住職が部屋を出たあと、千手観音に見守られながら見よう見まねで写経開始。
用紙の最後に願い事を書く場所がありまして、そこに“滋養強壮”とか“肉体疲労時の栄養補給に”と…書こうとしたけどやめておきました。
遍路の安全を願って“交通安全”にしておきました。初めての経験ということもあり、結局、たった1枚の写経に1時間近くかかりました。観音像の隣に写経の山があり、そこに加えさせていただきました。
翌朝6時には、本堂でのお勤めに参加。住職から法話の内容としては、「自身も八十八ヶ所巡りをしながら平和を祈願している」といったことでした。その時、なぜか宿泊客の一人が“集団的自衛権”を持ち出して、住職と激しめの議論をし出すという事態になりました。住職も客も熱くなっていましたが、両者とも納得されていたようでした。
住職に「きのう写経をされたというのはあなたですか」と言われました。流れ的に怒られるのかなとドキッとしましたが、素晴らしいことだとほめられました。それだけ写経をする人は珍しいのかもしれません。
7時に食堂へ。おせち料理のような朝食。
2階のホールから日の出が拝めました。
料金は1泊2食で6,500円。僕の場合は、写経もさせていただいたのでプラス1,000円でした。スタッフの方も含めてアットホームなので、お遍路さんもお遍路さんじゃなくてもおすすめしたい宿坊です。
私もお遍路が大好きで、よく宿坊に泊まります。仙遊寺の宿坊も泊まりました。
ご住職さんも他の方も、とても良い人でした
ご住職さんもご苦労されて、今日があるとお話しを、聞かせて頂き感動しました。
もう一度、泊まってみたい宿坊です
イリエケイコさん
コメントありがとうございます!
確かにいいお寺でした。食事を作るおばちゃんもいろいろと世話を焼いてくれました。
僕がお話をさせていただいた副住職さんもとても気さくな方でした。ツイッターやインスタもやっているみたいです。