<お遍路宿紹介>通夜堂:第66番札所 雲辺寺『みろく堂』
ご注意
本記事は当時の経験として残している記録になります、現在の営業を保証するものではありません。ご利用をお考えの場合は、施設に営業状況をご確認ください。
お遍路宿の紹介です。2017年のゴールデンウィークに香川県のお寺を打ったのですが、その際に雲辺寺(66番札所)の通夜堂『みろく堂』に泊まらせていただきました。四国霊場のうち最も高い場所にあるお寺での一夜。
2017/4/29宿泊
まず僕が向かったのは、雲辺寺ロープウェイです。三角寺(65番札所)から雲辺寺への車ルートでは、基本的にロープウェイは使わない。国道192号線で南から攻めるのがオーソドックスだからです。自転車遍路の僕もその道をたどるはずでしたが、三角寺を参拝した後に、北側の観音寺市のうどん屋さんに行ったのです。そのため、ロープウェイを使うルートになりました。
雲辺寺ロープウェイ山麓駅。太龍寺のロープウェイや八栗寺のケーブルカーを運営している会社らしいです。のりばの脇には、歩き遍路用の登山道があります。案内図によると、雲辺寺までの距離は4.2kmのようですね。
ロープウェイの係りの方によれば、登山道は自転車では進めないらしいです。でも「自転車もロープウェイに載せられますよ」とのことなのでひと安心。ただ、朝の営業開始時間が7:20なので、それまでは雲辺寺から動けません。
迷っていると、「ロープウェイを使わずに南から自転車で降りては?」とアドバイスいただきました。
ご丁寧に、蛍光ペンでマーキングされた地図もいただきました。なるほど。このようにロープウェイとは逆側から降りて、まんだトンネルの手前で右折すればいいのか。わかりやすい。これなら次の大興寺(67番札所)に早々と参拝できそうです。
ということで、片道1,200円のチケットを買い、ゴンドラへ。自転車料金なんてのはありません。乗車時間はたったの7分間です。
ロープウェイを降りたところで出くわす県境。雲辺寺は徳島側の道を進んだ方にあります。厳密には徳島県のお寺ですからね。ちなみに、まっすぐ香川県側の道を行くと、スノーパーク雲辺寺というスキー場に着きます。
標高911mの地で法燈を伝承する雲辺寺。“雲の辺り”と名乗っているように、ゴンドラからの景色もすごかったので、その分ありがたみも高まります。
マニ車とおたのみなす。参拝を終えてから納経所へ行き、通夜堂をお借りしたい旨を告げました。
「通夜堂内には照明がないので」と、ランタンまで貸してもらいました。
こちらが通夜堂です。『みろく堂』という名前が付いています。
TSUYADO。中に入るとお知らせ看板が。
「平成29年5月1日~12月末日まで、雲辺寺、通夜堂、トイレ建替の為、この建物(みろく堂)を取り壊します。期間中、通夜堂はありませんのでご了承願います。」
おっと、これは危なかった~!僕が最後の利用者かな。それとも明日まで使えるのかな。
ふと横を見ると、床下から生えた木が天井へ突き抜けているではありませんか!
一度外に出て屋根の上を確かめてみると、幹だけの状態でした。
取り壊しに先立って、木も上部分を切り落としているのでしょうか。
こちらが寝るスペース。小上がりの畳敷きになっていて、10人くらいは横になれそうです。
毛布数枚が用意されています。
外国人もよく泊まるのでしょうか。英語版の案内図も貼られています。
寝袋を広げてこの夜を楽しみたいと思います。ちなみに照明設備はあるのですが、電気が通っていないようです。コンセントも使えません。解体目前だからかもしれません。
トイレは通夜堂の隣にあります。
ひとり占めですね。雲辺寺ロープウェイ山頂駅の様子を見に行ってみます。
営業終了時刻の17時を過ぎたので、さすがに人気がありませんでした。このベンチで野宿が出来そう。
山頂駅にはお土産が売られています。
それにしても、境内いたるところにある五百羅漢像が目を引きます。これって、本当に500体あるんでしょうか。
なお雲辺寺では、僕のスマートフォンだと安定的に電波を拾えました。(ドコモ系MVNO)
翌朝、通夜堂を出発する際は、感謝の気持ちを込めて掃除しましょう。
納経所にランタンを返します。
前日登ってきたロープウェイと逆方面に駐車場へ通じる道がありますので、自転車を押しながらそちらへ進みます。
駐車場を抜けると、さっそく分岐。ロープウェイの方に教えてもらった通り、右の県道8号線へ。6:00に出発することが出来たので、7:30に次の大興寺に着くことが出来ました。雲辺寺さん、お世話になりました。ありがとうございました。
(後日、通夜堂の解体が行われたようです。新しい通夜堂が楽しみですね。)