<お遍路宿紹介>宿坊:第75番札所 善通寺『いろは会館』
ご注意
本記事は当時の経験として残している記録になります、現在の営業を保証するものではありません。ご利用をお考えの場合は、施設に営業状況をご確認ください。
四国八十八ヶ所霊場会の本部にして、広大な敷地面積を誇る香川屈指の古刹、第75番札所 善通寺。巡礼者を受け入れる宿坊も、やはりマンモス級でした。2017年ゴールデンウィークのお遍路宿泊記です。
2017/5/1宿泊
善通寺の駐車場に自転車を停めて、山門へ向かいます。敷地が広すぎるので、目的地へ向かうのにも一苦労です。
善通寺山門。早朝のため参拝客は少ないですが、散歩している人は多々散見されます。電話ボックス越しの五重塔がいいね。ひさしにも注目!
瓦紋が『善』マークになってます。
五重塔。高さは43m。明治35年(1902年)に完成した4代目の塔で、国指定の重要文化財です。
境内の広さに、寺としての余裕を感じます。お遍路さんたちが集合写真を撮ってますね。
こちらは金堂。善通寺の本堂です。本尊は薬師如来坐像。元禄12年(1699年)に上棟された国指定の重要文化財。
善通寺のパンフレットより
なんと善通寺の境内は、伽藍(東院)と誕生院(西院)の2つに分かれています。今まで見てきたのが伽藍。
誕生院の仁王門を入ってすぐの回廊。何の誕生かというと、もちろん弘法大師のことですね。
こちらは御影堂。善通寺の大師堂にあたる建物です。御影堂の前身である佐伯家邸宅にて、弘法大師は爆誕したそうです。
御影堂と聖霊殿の間の渡り廊下。
ここで善通寺をいったん離れて、中讃のうどん屋を巡礼。再び善通寺に戻ってからの、宿坊レポートをお送りします。
善通寺宿坊『いろは会館』。部屋数は50室、宿泊定員は250名にも及びます。これはマンモス宿坊だ!
玄関の金剛杖置き場。宿泊者の多くがお遍路さんのようです。
甘味処のようなロビー。チェックイン。
宿泊料金ですが、1泊2食付き 6,100円、1泊夕食付き 5,600円、1泊朝食付き 5,100円、1泊食事なし 4,600円 とでした。宿坊の相場は大体6,500円なので、こちらは安いと言えます。ですが、その後に料金の変動がありましたので以下に載せておきます。
2021年9月時点
プラン | 料金(税込) |
1泊朝夕2食付 | 8,000円 |
1泊夕食のみ | 7,000円 |
1泊朝食のみ | 6,000円 |
1泊食事なし(素泊り) | 5,000円 |
このご時世なので値上げも仕方のないことです。
ルームキーを渡されませんでした。岩本寺や金剛福寺の宿坊と同じ鍵なしタイプですね。
8畳和室でテレビ付きです。内鍵はかけられるみたいなので、少し安心。
貴重品は金庫を利用しましょう。部屋にはトイレ・風呂はありません。
『善』マークの入った丹前もあるよ。当たり前ですが、お勤めの時に着て行くのはダメですよ(笑)
お着きの菓子にも『善』マーク。『大師せんべい』という名前で売店にも売っているとのこと。
夕食の17:30までは時間があるので、大浴場に行ってみましょう。温泉です♪
大浴場の利用時間は16~21時。シャンプー・ボディソープ・ドライヤー備え付けです。
『大師の里湯温泉』
◆泉質:弱アルカリ性低張性冷鉱泉
◆効能:神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復など
館内ではお酒も買えます。金陵は香川のお酒です。
洗濯室は無料で使えます。利用時間は15~21時。
洗濯機・乾燥機、各4台。洗剤も無料です。毎日歩くお遍路さんにとって、洗濯にお金をかけずに済むってのはうれしいことです。
1階食堂へ。個人客のほか、小規模の団体さんの姿もあります。
夕食は和定食。メインはタラの西京漬けのホイル焼きですかね。
鶏のうどんすきがめっちゃうまかった。精進料理については要相談とのこと。
お勤めが行われる御影堂へは、外に出ることなく行けるらしい。お酒を買って部屋に戻るもよし、もう一度風呂に入るもよし、外出するもよし。ただ、門限・消灯が21時となっているので注意。
朝のお勤めは5:30からなので、この日は早めに就寝。
そして翌朝。御影堂の中は撮影禁止なので、文字のみで伝えさせていただきます。
お勤めでは多くのお坊さんが壇上に並びます。法話のあとには、『戒壇めぐり』が待っています。『戒壇めぐり』とは、御影堂地下に存在する、明かりひとつない道を手探りで歩くイベントです。善通寺パンフレットによると、“暗闇の中で自己を見つめなおし、お大師さまと結縁できる道場”とのこと。
“奥殿真下にあたる《御誕生の聖地》では、お大師様のお声(※)が、わたしたちをお諭しくださいます。”
※モンタージュ・ヴォイス制作/日本音響研究所
つまり「オカルト体験ができます」ということです。
団体のおばちゃんたちが僕の前にいたので、近付きすぎて体にタッチしてしまわないかハラハラしました。これが結構長くて、100mにも及ぶものでした。子供とかがすごく喜ぶ感じのやつです。(僕も楽しかった)
でも、終始ハラハラしてたんで、自己を見つめなおす余裕がありませんでした。ハラハラする自分を再確認できたのは、見つめなおせたということなのかもしれません。おばちゃん、ありがとうございます。
ちなみに通常だと宝物殿拝観とセットになって500円かかりますが、宿泊者は戒壇めぐりは無料で参加できます。
さて地上に戻って、その流れで食堂へ。
朝食も和食です。
うどん遍路も並行しているので、ご飯のおかわりは控えます。
トイレと洗面所。チェックアウト後は、善通寺周辺のいろんな名店を楽しみましょう。
『カタパン』という堅いお菓子が名物の熊岡菓子店や、
鍋底に沈殿するイリコ入れ放題の宮川製麺所。
お遍路さんじゃなく観光客としても泊まれますので、弘法大師ゆかりの文化に興味がある人はぜひ。