はじめての四国八十八ヶ所霊場めぐり ~ “発心の道場” 徳島編 5日目 | ジジイの氷割り

はじめての四国八十八ヶ所霊場めぐり ~ “発心の道場” 徳島編 5日目

阿波おどり紺屋町演舞場(井戸寺→恩山寺)

井戸寺の通夜堂にて、5日目の朝を迎えました。…と言いたいところですが、僕が朝を迎えたのは国道沿いの快活CLUBです。なぜネットカフェにいるのか、それは昨夜のつづきから話しましょう。


まず昨日は非常に暑くて、朝から『徳島県高温注意情報』が出るほどでした。夜になっても一向に暑さが和らぐことはなく、黙って横になっていても汗がダラダラ流れる蒸し風呂状態…。通夜堂の中で眠るのはとても難しいものだったのです。それでも、網戸だけではなくドアも全開放して風通りをよくするなどして、なんとかやり過ごそうとしたのですが、今度は蚊が室内に入り放題になってしまいました。

きのうの徳島県徳島の気温推移

寝苦しい上に、僕が最も嫌いな生き物である蚊を気にしながらというのが辛く、翌日のために少しでも体力を回復したいという気持ちもあり、通夜堂を離れるという決断に至りました。そこで、スマホで検索したネットカフェまでタクシーで向かったというわけでございます。この時はとても自己嫌悪に陥りました。

ネットカフェのレシート

自己嫌悪に陥りながら、食べ放題のソフトクリームに舌鼓を打ちました。はじめての通夜堂体験で逃げ出す格好になってしまったのは悔しいです。しかし、睡眠確保による体調維持と、PCでの効率良い情報収集ができたんだと気持ちを切り替えるしかありません。正直、黙っていようとも思いましたが、リアルな部分は出した方がいいですよね。

早朝の鮎喰駅

鮎喰駅から始発で、井戸寺最寄りの府中こう駅へ向かいます。明け方まで25℃以上をキープしていたらしいので、これは気象庁用語の“熱帯夜”というやつですな。

しょっぱなから言い訳に終始しまして、大変申し訳ありません。井戸寺に戻ってきました。

通夜堂と大師堂

昨夜は、取るものも取り敢えず飛び出しました。放置されていた荷物をパッキングしてから、通夜堂に備え付けのほうきとチリトリで丁寧に掃除をします。朝はそのままで出発してもらって構わないとのこと。いつかここに扇風機を奉納すると誓い、恩山寺に向けて出発。

第18番札所 恩山寺

恩山寺まで20kmとの表示

時刻は6:40。4km/hペースだとお昼ごろには恩山寺に着きますが、実際は休憩しながらなのでもっと遅くなります。

中鮎喰橋を通って鮎喰川を越える(徳島県道30号)

そういえば!昨日観音寺で、涼しい道(地蔵越遍路道)を案内されていたのでした。いやー、完全に忘れてました…。

徳島市南島田町付近

でも忘れてしまったものはしょうがないので、このまま市街地を通るルートで進んでいきます。

伊予街道(国道192号)

日陰を求めてアーケードに。

東新町商店街

街中では阿波おどりの準備が着々と進んでいます。

紺屋町演舞場

さて、商店街を抜けるとそこはネオン街。子供は通っちゃダメなエリアです。

人影まばらな朝の栄町歓楽街

僕は菅笠をリュックに付けているだけですが、お遍路姿で歩いたら場違い感がハンパないでしょうね。

国道55号線まで出て、少し休憩。

マクドナルド 55号沖浜店

今日も非常に暑くて、体力を奪われます。地蔵越遍路道を忘れてしまったことが、のちのち響いてくるかもしれません。

国道は日を遮るものがあまりない

写真では写っていませんが、只今の気温31℃を表示しています。

小松島市に入る 恩山寺まで5.2km

時刻は11時。今日は恩山寺の次の立江寺まで回ることにします。立江寺の次は“阿波三大難所”である鶴林寺、太龍寺。

勝浦川橋から勝浦川(国道55号)

立江寺には宿坊があります。昨日は通夜堂でしたが、今日ははじめての宿坊にチャレンジしたいと思います。電話すると本日宿泊可能とのことでしたので、その場で予約。

 お遍路POINT その15
お勤め(勤行)に参加できるなど、貴重な宿泊体験は宿坊ならでは。
<宿坊がある札所>
2番極楽寺、6番安楽寺、7番十楽寺、12番焼山寺、13番大日寺、19番立江寺、23番薬王寺、24番最御崎寺、26番金剛頂寺、37番岩本寺、38番金剛福寺、40番観自在寺、44番大宝寺、58番仙遊寺、75番善通寺、81番白峯寺(団体のみ)
『四国八十八ヶ所霊場会 公式ホームページ』より

そそる『鶏塩ラーメン』

屏風のようなマンション(徳島サンハイツ)

またもやマクドナルドに退避。いい場所に建てるなぁ。

マクドナルド 55号小松島店

国道沿いでも水田をよく見かけます。

給水栓から水がジャバ―

この暑い中、なんかの作業をしていたおばさん(作業着を着ていたから)に話しかけると、恩山寺を指さして教えてくれました。

画像中央の山に恩山寺があるとのこと

まじですか、山を登ることになるなんて…。しかも結構遠そう。

確かに何か建ってるけども(拡大図)

国道55号線の脇道へ逸れて、なんかの作業中の女性が言っていた方角へ向かいます。この通り道が、『義経ドリームロード』らしいです。

まさか義経ドリームロードだったとは

あと、恩山寺まで700mの所まで来ました。

勾配がすごいことになってる

この辺りで唯一ともいえる民宿、ちば。なお、歩き遍路道は車道から分岐し、もっと勾配がある模様。

手すりが登場しちゃった

もうTシャツが汗でびしょびしょです。

像が見えてきた

車道から5分ほどで恩山寺に到着。巨大な大師像が迎えてくれます。

修行大師御尊像

なんかの作業中の女性が指し示してくれた場所に、30分たたずに立つことになるとは思いませんでした。あと、“なんかの作業中”っていい響きですね。

玉依御前(空海のお母さん)のゆかりのお寺らしい


かつて恩山寺は女人禁制だったらしいです。弘法大師が修行してるところに、母の玉依御前が訪ねてきたのですが当然会えませんよね。そこで大師は、17日間秘法を修して、女人解禁を成就し母に会うことができたのだそうです。

本堂と鐘楼

女人禁制って解くことができるのですね。驚きです。

水子地蔵

オスカー像感覚で水子地蔵が並んでいました。

第19番札所 立江寺

恩山寺の参拝を終えると、車遍路は来た道まで戻って立江寺を目指す必要がありますが、歩き遍路は私有地を通るルートが一般的です。

ここから樋冨さんという方の私有地らしい

立江寺までは4km。

牛舎の脇を通る

伝染病予防のため、牛舎には近づかないようにとの看板あり。阿波牛かな?

弦巻坂

敵兵がいないことを察知した義経が、「敵出てこーへんから、もうしまってええで」と言って弓の弦を巻かせた弦巻坂。なお、この竹藪では1秒ごとにいろんな生き物(主に虫)が出てきますので、苦手な方はご注意ください。

 

たけやぶ抜けた

私有地のような佇まいの田舎道を歩きます。あと3.2km。

水路が流れている

遍路道沿いに『四国横断自動車道』の工事現場があり、それに併設するように無料休憩所がありました。寄らなかったのですが、ここは有名みたいです。

立江川と赤い白鷺橋

立江川まで来たところで、1人で歩いているお遍路姿の20代くらいの女性と挨拶。若い女性1人でお遍路というのは実はあまり見かけません。だから印象に残りました。

こんな無表情で突っ込んで来られたら為す術がない

本日の最終寺で、宿でもある立江寺に着きました。

立江寺山門

山門が華やか

山門には古めかしい地図が掲示されています。この年季の入り方からして、情報源としての役割は期待ができなさそうだ。

灯明台が回転式である

参拝と納経をします。お遍路さんが入れ替わりで常に2~3人います。

大師像

寺務所にもなっている納経所で、宿坊利用の受付をします。宿坊ともつながっている建物のようです。

立江寺宿坊内

1泊2食付きで6,500円です。

ジーパン姿の寺務所スタッフに連れられ、2階へ上がります。本日の客は僕の他に、もう1人女性がいるそうです。

通路のえもんかけがレトロ

『飛天三』という1~2名用の個室へ通されました。まだ15時ですが、すでに布団が敷かれていました。内観は旅館と変わらないなーというのが、はじめての宿坊の印象です。本尊が安置されている畳敷きの大広間のような場所で寝泊まりするイメージだったので、なんとも拍子抜けです。

飛天三

17時から勤行(お勤め)があるらしく、そこには正装で行く必要はないらしい。『輪袈裟』と『数珠』さえ持って本堂に来てもらえればいいと寺務所の男性は言っていました。ただ、それさえ持っていないんで怒られるんじゃないかとおびえてる。

お茶菓子が仏手柑せんべい

勤行まで時間があるので、部屋を出てすぐの浴室でシャワーを浴びて、近所を散歩することにしました。

徳島限定『アワライズ』『徳島珈琲』

『アワライズ』は阿波踊り専用エナジードリンクらしいので買わなかった。立江寺の周辺には和菓子屋や酒店などの商店がたくさんあります。

道路をまたいでいる構造物

『浜醤油醸造所』という看板を発見し、思わず足が止まりました、小売りもしているとのことで、ここに立ち寄り。醤油・みそがメインですが、すぐ飲める甘酒を購入。

濱醤油醸造場(正式名称)の甘酒

徳島産コシヒカリの糀で作った、砂糖不使用の甘酒だそうです。酒粕の甘酒しか飲んだことがなく、糀から作られたものははじめてです。甘くておいしいのに後味がすっきり。

そして立江寺に戻って、17時から勤行。お勤めは、これまた宿坊から連絡通路でつながった本堂にて行われます。この時に、さっきまでジーパンだった人が実は住職と判明。椅子に座りながら、三帰(さんき)や三竟(さんきょう)を住職を真似ながら唱えたりしました。これが唯一の宿坊体験と言えるかもしれません。輪袈裟や数珠がなくても、怒られることはないので安心してください。ちなみに、部屋に置いてある『勤行次第』は持って帰っても良いとのこと。

なお、もう1人の宿泊者である女性とお勤めをご一緒することになったのですが、立江寺手前で見かけた1人遍路の女性でした。このあと17:30からの夕食のため食堂へ。「さっき、道で会いましたよね?」と尋ねたのですが、「暑すぎて覚えていない」とのこと。“無心”かよ。

立江寺の夕食(ご飯おかわり自由)

普段は青森県で看護の仕事をしているそうで、休みをもらって以前から興味のあった四国遍路を始めたんだと女性は話します。お遍路あるあるかはわかりませんが、「焼山寺キツかったよね」というと「あれはヤバかった」などと盛り上がります。ちなみに焼山寺越えのあとは『すだち館』に泊まったとのこと。

『すだち館』はご夫婦がやっているそうで、女性本人のほかに“ある客”が泊まっていたと言います。それはお坊さんで、女性が泊まるずっと前からいたそうです。そしてお坊さんは、「自分には人に触れずに病気を治す力がある」と言っていたらしい。完全に怪僧じゃねーか!

怪僧はその力を実際に披露してくれたらしく、看護女子曰く「肩のあたりが少し熱くなった」らしい。それはプラシーボ効果では…。いえ、もしかすると僕がすれているだけなのかもしれませんし、彼女の話を強く否定する理由もないので、ホントかなぁぐらいにとどめました。

広島-阪神戦中継

ちなみに看護女子は、今回行ける所まで回って仕事に戻るけれど、再開は来年または再来年という気長なペースでやっていくと言っています。そうです、お遍路は区切り打ちの間隔が空いてもいいですし、どういう手段でも、あるいはランダムに回ってもいいのです。

さて明日は鶴林寺と太龍寺を目指します。“一に焼山、二にお鶴、三に太龍”とも言われるように、立て続けに2つの難所に立ち向かうことになります。

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