『吉田口登山道』で富士山を“0合目”から登ったら12時間かかった
おはようございます。ここ東洋館は標高3,000mに位置しています。前日は一日で2,000m以上登ったわけですが、意外なことに疲れは残っていません。心配していた高山病も兆候さえありませんので、最後までこの調子で楽しい登山になればと祈るばかりです。
朝4時、未だ明けきらない富士吉田市街。
小屋内で朝食をとってから出発。
山中湖方面に変な雲を発見。
4時半になりました。明け方はやはり冷え込みます。レインウェアの下にフリースを着こんで、東洋館を出発します。
東洋館出発
カメラのモニターに、ちゃんと水平に撮れているかの表示があるじゃないですか。あれが自分の感覚と違う表示をします。モニターの表示に合わせてカメラを傾け直すと、「えっ、ココってこんなに急?」と感じます。本能の働きなのか、斜面に垂直に立とうとするみたいです。
八合目 太子館(3,100m)
太子館と八合目救護所を通過。
土が赤くなってきました。周りにほとんど人がいませんが、夜が明ける前に多くの人がここを通っていったはずです。
雪渓の真横。関係者の話では、今年は残雪が多いそうです。
蓬莱館を通過。
息が切れるようになってきました。如実にペースダウン。
白雲荘を通過。
鳥居が見えてきました。元祖室です。
鳥居の正面に鎮座しているプレハブは、『烏帽子岩元祖食行身禄尊師御入定霊跡』だそうです。富士講の指導者 食行身禄さんが断食修行をした場所とされています。
元祖室を通過。毎年違う柄の干支の焼印が有名です。
昨日と打って変わって、夜明けから風が強い。突風と言ってもいいくらいです。
たった1.8kmを125分かかると言っているのですから、ハードさがわかるはずです。焦らず行きましょう。
「もう無理!」という人用に、下山道へ迂回できる道があります。
本八合目 富士山ホテル(3,400m)
富士山ホテルを通過。
第一、第二、別館と施設が別れています。
本八合目トモエ館を通過。ここで須走ルートと合流します。
すぐ隣には本八合目 胸突江戸屋があります。須走ルートの山小屋として記載されることが多いようですね。7月上旬のため、こちらはまだ営業しておりませんでした。
ここから須走ルートと登山道が兼用になるので、案内板に赤いインフォメーションが加わっています。吉田ルートが黄色で、須走ルートは赤のイメージカラーのようですね。
八合五勺 御来光館(3,450m)
御来光館を通過。吉田ルート最後の山小屋です。
いくつの鳥居を越えてゆくのだろう。
九合目 (3,600m)
半壊している迎久須志神社を通過。
あと、200m!
狛犬と最後の鳥居を通過します。
吉田ルート山頂(3,715m)
吉田ルート山頂にある久須志神社に到着!上りに費やした時間は、しめて11時間44分でした。
こんな感じで靄っていて、風も強くて冷たい。おそらく雲の中にいるのでしょう。
というわけで火口は確認できず。ちょっとやそっと待っていても晴れなさそうです…。
お鉢巡りは期間外のため出来ませんでした。他の登山道の開通に合わせて、7月10日から9月10日の間だけお鉢巡りができるそうです。お鉢巡りも計画しているのなら、期間には注意が必要ですね。
期間内でも、気象条件によって制限されることがあります。もし次回、体力があって天候も味方してくれれば、ぜひ行っておきたいですね。
下山開始
現在7月上旬は、まだ吉田ルート下山道が完成していません。7月10日以降なら、山頂から下山道を利用するのですが、その日までは今登ってきた登山道を使って下りることになります。本八合目からは下山道を利用しましょう。
下山道八合目 下江戸屋分岐(3,350m)
本八合目 胸突江戸屋(上江戸屋)の分岐から、須走ルートを経由して下山道に入りると、下江戸屋分岐に着きます。
ここがいわゆる“吉田ルートと須走ルートの最終分岐”になりますので、間違えないようにしましょう。僕は吉田ルート下山道に行きたいので左側に進みます。
八合目江戸屋(下江戸屋)の前を通ります。
もし間違えて須走口五合目に下りてしまったら、路線バスを乗り継いで富士スバルライン五合目に戻ってくることができるそうです。その時はまず、吉田ルートに五合目総合管理センター(0555-72-1477)に連絡して、指示を仰ぐのがいいでしょう。
9月10日からは下山道が閉鎖されるようです。
おなじみの吉田口下山道のつづら折り。延々続くので、これがつらいという人も。下っているときは、どんなに標高が高くても息が切れないから不思議。
吉田口下山道のトイレは、7合目まで一切ありませんので気を付けましょう。
ブルドーザー通過待ち。
下山道七合目 公衆トイレ(2,640m)
七合目トイレまで下りてしまえば、あと少しです。
標高が下がるにつれ、だんだんと汗ばんできます。ウェアをこまめに脱ぎ着して体温調整をしましょう。
落石除けのトンネルを歩きましょう。
山頂は未だ雲の中です。
六合目 登山道と合流(2,390m)
登山道と合流します。登ってくる人とすれ違いますが、道幅が十分広いのでストレスはありません。
六合目が見えます。吉田口登山道には戻らずに、富士スバルライン五合目から出ているバスで帰ることにしましょう。
六合目を通過。下を見ると佐藤小屋が見えます。
富士山の山小屋で一年を通して営業しているのは、この佐藤小屋だけらしいです。
泉ヶ滝(2,275m)
富士スバルライン五合目よりも標高が低い『泉ヶ滝』を通過。
富士スバルライン五合目(2,305m)
ロッジ風の建物が見えてきました。富士スバルライン五合目に到着です。
まとめ
北口本宮冨士浅間神社から始まる『吉田口登山道』を歩いて、富士登山の歴史に触れることができました。
歩行距離としては長いですが、特別危険に思える場所はなく、一泊をすれば無理なく楽しめるかなと思いました。
とはいえ、“前半ハイキング、後半は登山”という感じのしっかりとしたボリュームがあるので、普段からウォーキングを習慣にしていたりなど、脚に覚えがある方におすすめのコースです。