アジ釣り船に連れて行ってもらった < 船宿:つり幸 >
みなさんは海釣りに行ったことがありますか?釣り堀やワカサギ釣りドーム船ぐらいしか乗ったことがない僕に、初めての海釣りの機会が突然訪れましたので、ここに報告いたします。
2017年10月中旬乗船
海釣りに行くことになったのは、そのわずか2日前。仕事上で知り合った釣り好きの人、ここでは先生と呼ぶことにしましょう。僕が海釣り未経験だということを告げると、先生は「せっかくだから」とあれよあれよとセッティングしてくれました。釣り好きな人はフットワークが軽いのだ。
そして当日。万全を期すために、酔い止め薬をあらかじめ服用しておきました。
どうやら飲んでおくことで、「これで安心」と暗示をかけることにもなるようです。
今回お世話になる船宿は「つり幸」。船宿とは、“屋形船や釣船を業とする商業施設”らしい。僕は先生に車で乗せてきてもらいましたが、JR東海道線川崎駅、または京浜急行線京急川崎駅から送迎バスでここまで送ってくれるようです。
初心者に向いているということで、今回はアジを釣ることになりました。いわゆる『午後アジ船』という、読んで字のごとく昼から出るアジ釣りを目的とした船に乗ります。通常料金は6,500円。救命胴衣はもちろん、釣り竿や仕掛けのほか、エサ・氷・長靴まで無料で借りることができてしまうのがうれしい。いわゆる『LTアジ』ってやつですね。
乗り込むは『第三さくら丸』。お客さんはだいたい12人ぐらいいましたかね。
船は池上運河を通って、あっという間に沖へ。
コマセにはイワシのミンチ、エサにはアオイソメを使用。コマセとは魚を呼び寄せる撒き餌(まきえ)のことですね。アジは肉食らしい。
先生から基本のレクチャーを受けます。まずは、カゴがついた天秤という道具。
この端っこと、竿を金具でつなげます。もう片方の端っこを輪ゴムにつなげる。
ちなみに、このカゴには『ビシ』という名前が付いているので、こういった方法のアジ釣りは『ビシアジ』とも呼ばれています。
船は京浜工業地帯を横目にポイントへ向かいます。
輪ゴムに仕掛けをつなげ、針の先にはイソメをひっかけます。ひっかけてから3~4cmの長さにちぎるのですが、イソメも生きているので鳥肌が…。
先生から発泡スチロールと、三種のハサミをプレゼントされました。釣り上げた魚を押さえるフィッシュグリップ(中央)と、釣り針をはずすラジオペンチ(右)、それと魚を締めるための小型の万能ハサミ(左)。
着いたのはJFEスチールの工場が連なるあたりの沖。『京浜港長 30M以内立入禁止』と書かれたシーバースがあるポイントです。ちなみにシーバースとは、原油やLNGなどの液体の貨物を安全に搬出入するための施設だそうです。
カゴにコマセを詰めこんだら海中へドボン。カゴの重さで、勢いよくリールが回転します。
「リールが止まったら、2m巻き上げて」と先生から指示が飛びます。“棚”と呼ばれるアジの群れがあるようで、それは海底から2mほどらしいです。するとほどなくヒット!
元気のいいアジ第1号が釣れました!
すかさずフィッシュグリップとラジオペンチで釣り針をはずし、万能ハサミで活け締め処理。何度かやっているうちに処理の手際が良くなり、先生からお褒めの言葉をいただきました。
当たりが来ない時は、リールを50cmくらいずつ巻いて棚を確認するのが良いのだとか。勉強になるぅ~。
隣で釣っていた同じ初心者の若い女性は、なぜかカサゴを釣り上げていました。どうやら底から離すのを忘れていたため、海底を棲み家にする根魚であるカサゴが釣れてしまったようです。隣のおばちゃん釣り師から「味噌汁にするとおいしいんだよ」とアドバイスが。
ダブルも一度だけありました。そんなこんなで、13:00~16:30くらいまで釣っていたでしょうか。おばちゃん釣り師は爆釣でしたね。
最後は残ったコマセを撒き、納竿。「終わる時間を知ってんのよ、コイツら」と先生。なんか16時くらいからカモメが寄ってくるなーと思ったら、これが目当てだったのね。スーパーの店員が総菜の値下げシールを貼る頃に、周りに集まってくる客みたいな感じですね。
最終的に、僕の初海釣りの釣果はアジ14匹となりました。
桟橋に戻ってきました。緊張の糸が切れたのか、帰る途中で吐きそうになりましたがグッとこらえました。
おばちゃん釣り師はなんと76匹!トップでした。快く撮らせてもらいました。
僕の14匹がちっぽけに見えますが、これでももてあましてしまいます。なので帰りに、先生の懇意にしている築地の小料理屋に渡しに行きました。手元に残った3匹のアジは、家で刺身にして食べました。その日まで生きていたアジを食べたのは初めてだったのと、自分で釣ったということもあり、最高に美味しくいただきました。
いい思い出のまま終われましたので、これを機会に海にも記事ネタを求めていければと思います。