下山は大砂走り!“健脚向け”富士山『御殿場ルート』を登る
山小屋の朝は早い。
頂上での御来光を見るためには、2時間前にはここを出ていなければなりません。
僕は小屋の前で御来光を迎えます。
好天の予感。
朝の4時台ですが、下には登ってくる人たちがいます。
4:52 赤岩八合館にて御来光。
小屋内に差し込む日差し。
朝食のハムエッグ定食は5時からいただけます。宿泊者ならいつでも食べられます。御来光見てから朝食とりにくる人も少なくありません。ごはん、味噌汁、お茶はおかわり自由です。
さて、頂上へ向かいますか。
赤岩八合館出発
日差しがあるとはいえ、標高3,000mを越えています。
ジャケットを羽織っておきましょう。
八合目 見晴館 閉館中 <3,400m>
八合目の見晴館は半壊状態です。
この天気ですから影富士を期待したのですが、登山道からは確認できませんでした。
すぐ脇に雪渓を見ることができます。
山頂で御来光を楽しんだ人たちが下りてきました。こういう形で混雑と鉢合わせることも。
高山には紫外線はつきものですので、サングラスをうまく使っていきましょう。
夏山登山でも『雪目』は起こりますので。
登山道に石が多くなってきました。落石注意の看板も散見されます。
頂上が見えてきました。
御殿場ルート山頂に到着です。
御殿場ルート山頂 <3,700m>
御殿場ルート山頂に着いた人は、だいたい富士宮ルート山頂に移動します。ここにはほぼ何もないので。
閉鎖中の銀明館ぐらいしかありません。
ここまで来たのに、このままトンボ返りするのはもったいないですしね。
50mくらい時計回り方向に進むと、富士宮ルートの山頂があります。
富士山本宮浅間大社の奥宮があります。富士宮ルート登頂者は、この鳥居が最初の記念撮影ポイントとなるでしょう。
横には頂上富士館、10時から営業。
奥宮の隣には山頂郵便局があります。
この流れで、剣ヶ峰まで行きましょう。
環境省設置の公衆トイレ。剣ヶ峰までは馬の背と呼ばれる傾斜を登ります。
富士登山の行程の中で、馬の背が一番きついと思っているのは僕だけでしょうか。
馬の背を登り切ったら、『富士山特別地域気象観測所』が見えてきます。お鉢巡りをする人は、ここで右に抜けてください。
剣ヶ峰 <3,776m>
剣ヶ峰到着です。ポーズしている人がいるのは、そこに剣ヶ峰の碑があるからです。
“日本最高峰富士山剣ヶ峰 三七七六米”と書いています。観測所の上で作業している人がいたので、僕は日本で一番高いところにいる人間とは言えないのが残念です。
しっかり三角点もありますよ。大切にしましょう三角点。
立入禁止となっていますが、昔はこの展望台に上がることが出来ました。
お鉢巡りのコースも立入禁止になっていたので、このまま同じ道を通って戻ります。
馬の背は下りるときが危険。
富士宮山頂から見た御殿場ルート山頂。
吉田・須走ルート山頂の建物も見えます。30分くらいで向こうに行くことも出来ますが、今日はこのまま下山します。
こちらが閉館中の銀明館です。
下山のタイミングですが、毎回何をきっかけにすればいいかわからないのです。今回もぬるっと下山します。
下山開始
夏らしい入道雲の出現です。
時間帯的に、登ってくる人があまりいません。
宿泊した赤岩八号館まで下りてきました。同じ高さなのに、下山の時は息が切れないから不思議。
フレンドリーな小屋でオススメです。
砂走館のベンチでアレを装着しておきましょう。
そうです、スパッツです。ゲイターとも言いますね。これで靴への砂や小石の侵入を防げます。大砂走りはスパッツなしだときついです。
大砂走り <3,020m>
こちらの日の出館(休館中)の下に、大砂走りの分岐があります。
ここから土質が変わります。
登山道の踏み固められたものとは違い、サラサラとした砂状の土質です。
歩を進めると、このように砂の中に靴が埋まってしまいます。
大股で下ることができるので、あっというまに標高を減らせます。
下り六合 <2,767m>
プリンスルートとの交差地点まで下りてきました。ここは『下り六合』という場所です。
宝永山経由で富士宮ルートに合流することも出来ます。
引き続き、御殿場ルートの下山道を下っていきます。
左に傾いた斜面を下っているようです。カメラの水平機能がそう言ってる。
大股どころか、走って下ることができます。ザックをグワングワン言わせながらの、ダイナミック下山も可能。霧の中なので、前方で休んでいる人と衝突してしまいそうになるほどです。
いつも思うのですが、言い換えれば下山って、砂を少しずつ下に移動させる行為じゃないですか。でも登山時には、踏みしめても砂が上に移動することはないじゃないですかー。それなのに、なぜ山って同じ形を保っているんでしょうか?誰か教えてください。
“須山口”という新たな登山口も登場。調べてみると、須山口登山(下山)道の方が歴史は古いみたいです。“二合八勺”という地点だそうですが、須山口登山(下山)道の測り方だとそのあたりなんでしょうね。
霧は晴れたはずなのに、道の先がかすむほど遠い。これはだるい。単調なんですよね、とにかく。Googleマップで五合目駐車場までの距離を調べながら進みます。(ネットは常時つながる)
距離が縮まっていくのを確認することで、なんとか心の平穏を保っている感じです。
保育園がレクリエーション登山をしていました。
うっすら見えているのが五合目駐車場です。
大石茶屋の電波チックな看板が現れてきました。
大石茶屋 <1,520m>
「山頂の売店にはない当店だけのお土産です 家族や友人に おーッどうぞー」いや、どういうテンションだよ。
大石茶屋に到着。バスの出発時刻に合わせて、ここで待たせてもらうといいでしょう。その際は、何かを買うのが人情ってものかと。
お腹が空いてなかったので、コーラを飲みながら、若干の時間調整をさせていただきました。小屋のお父さんから、なぜか御殿場駅近くの人参湯という銭湯をイチオシされました。
御殿場口新五合目 <1,450m>
五合目駐車場に戻ってきました。ゴールです。なんだかんだで、剣ヶ峰から4時間かかりました。
駐車場まで下りてきましたが、時間つぶしできる場所がありません。Mt.Fuji Trail Station(トレステ)というコミュニティースペースがあるのですが、残念ながらしっかり機能しているという印象はありません。ちょっとしたフードコーナーでもあれば、がらっと居心地が良くなるのではと思いますが…。
本日の富士山は曇りがちですね。これにてレポートは終了です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
1/2と書いて『ハーフマウンテン』と読むお土産屋さんの前が、御殿場駅行きのバスのりばです。
まとめ
「一番きつい」と言われる御殿場ルートでしたが、途中の山小屋で宿をとり、無理のない行程を敷くことで楽しく登ることが出来ました。
特に序盤は道幅が広く、ストレスを感じることはありませんでした。
健脚の方はぜひ挑戦してみてください。
二ツ塚(双子山)や須山口登山道など、新たなコースを発見できたのが個人的には収穫です。