はじめての四国八十八ヶ所霊場めぐり ~ “発心の道場” 徳島編 4日目

鮎喰川沿いの遍路道(焼山寺→大日寺)

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なべいわ荘にて、4日目の朝を迎えました。今日は3日ぶりに徳島市に戻ります。お遍路開始後は、ここで初めて徳島市に入るわけで、僕は少し嬉しいのです。なぜなら、山道よりは市街地を歩きたいからです。だって、人がいないのはやはり寂しい。もちろん田舎道も好きなんですが、これを見ていただいている読者の方も、人間があまり写っていないと楽しくないでしょう。


朝食は1階の食堂にて、朝6時からいただけます。

なべいわ荘の朝食

漬物3種が素敵です。味噌汁の沈殿具合も言うことなしですね。

部屋に戻ると、テレビではリオ男子体操団体が金メダルを獲ったとの報。

表彰式のニュース

リオオリンピックも同じく4日目を迎えている。一方的に連帯感を持って、頑張らせてもらっています。

第13番札所 大日寺

基本的にお遍路道は、車ルートよりもショートカットができます。車遍路が回り道をしなければならないという言い方もできます。

なべいわ荘を7:15に出発

しかし、そのショートカットができる場所というのはだいたいが山道です。山道なのにショートカットじゃないとなると、何のために山道を歩いているのかわからないですし。

阿部酒店の自販機で水分を買って行こう

焼山寺から大日寺までは26kmと言われています。焼山寺からなべいわ荘までは約4kmですので、ここから大日寺まで22kmということになります。なにげに長い距離ですね。さらに、ここに山道が入ってくると距離は稼げません。平地で1日30kmぐらいのペースがベストだと思っていますので。

結局、最短ルート=山道なのだ

欲を言えば今日はもっともっと先の札所へ行っておきたいというのもあるので、若干焦っています。

山道の入り口には“お言葉”が。

いいこと言ってるけども

“出会いを通して、自分に出会う”
“傷ついて、又傷ついて強くなる”

もっと人に出会っていたら、染みる言葉でしょうね。

お墓?

昨日の予想通りに朝から暑く、ありがたいことにさっそく汗びっしょりです。

たまにアスファルト道

あまり考えたくはありませんが、熊と出合い頭…なんてこともあるのでしょう。九州の熊は絶滅したなんて聞きますけど、四国はどうなんですかね。

大日寺まで18.7km

暑いから嫌だなーと思ったりしていますが、雨よりは全然マシと思うようにしています。

巨大な岩だ、鍋岩だろうか…

だって雨なら、雨具を着なければならないし、バッグの中の荷物にも気を遣わなければならないし、ぬかるむ道もひと苦労…。幸いなことに、徳島に来てから雨が一滴も降っていない。

オフロードはここで終わり

車道です。とはいえ、ほぼ誰も通らないような道です。林道といったところでしょうか。しばらく進むと無人の庵があります。

「この庵での宿泊は御遠慮願います。」との看板

頼まれても泊まりたくない。夜やばいでしょ、ここ。奥にトイレがあります。あと、誰かメガネ忘れてます。

置き忘れメガネ?

奉納したのかもしれませんので、放っておきます。

舗装路が続く

ここで久しぶりにお遍路さんの姿を発見。そのお遍路さん、離れた場所からでも疲れているのがわかります。年の頃は僕と同じくらい。なぜか彼は脇道に逸れて行ったので、その間に追い越してしまいました。

本日はじめてのお遍路さん

まさに“お遍路さんの正装”と言わんばかりの恰好の男性でした。菅笠をかぶって白衣に身を固めていると、どうも思い詰めているように見えてしまうから不思議です。

人家が見えてきた

ずんずん下っています。ここで鮎喰川あくいがわという河川と合流。

鮎喰川

ようやく人里に下りてきました。

第一町人発見?

こんにちはー!(心の中で)

カカシだった

横の立て札を見ると、『阿川のかかし』と書いてあります。

『阿川のかかし』…

もしかしてここ阿川は、かかしで有名な地域なのかもしれません。

栗が青い

沿道の栗の木を見ながら歩いているとびっくり。その横にもかかしが気を消して立っています。

お巡りさんかかし

よく見るとまわりはかかしだらけじゃないですか。油断のできない地区です。

将棋仲間かかしに子供かかし

1人も人間を見ていないので、地区全体に何らかの呪いがかけられているのかもしれません。

ここはまっすぐでいいと思う

歩き遍路の場合、道しるべをたよりに進めば、とりあえず迷うことはありません。迷いそうなところで、必ず道しるべがありますので。ただ、何個かあるときはどの道しるべをたよりにするかで迷いますがね。

老夫婦お遍路かかし

なべいわ山荘に“提案”された植村旅館を見つけました。

植村旅館

なべいわ山荘からちょうど2時間。昨日の行程に2時間プラスして、16時にここまで着いていたかもしれません。ですが、焼山寺越えた直後のプラス2時間はハードかなと個人的には思います。

お遍路向け道しるべ通りに、植村旅館手前で右へ。

田んぼに挟まれた道を歩く

田んぼの上をトンボが飛んでいます。いや、すいません…。

おばあちゃんと孫かかし

上り坂になり道も狭くなってきます。

民家が遠くなっていく

民家のある道を通れば確実に進めるでしょうけど、道しるべがここを通れと言っているので従うしかないでしょう。

大日寺まで12km

どうやらここは峠らしいです。

駒坂峠

峠といってもそれほど大したことない駒坂峠を通過。

峠越えでショートカット

鮎喰川に架かる人道橋

ついに川が流れる所まで下りてきてしまいました。ということはこのあとは登りしかない。

大日寺まで11km

あと3時間というところでしょうか。

世界のパン ヤマザキ

ヤマザキ廃コンテナマニアの方用に。

再び鮎喰川

何だか鮎喰川の右岸と左岸を行ったり来たりしながら下っているだけです。

エメラルドグリーンにも見える

想像ですけど、鮎も獲れる川だったから鮎喰川なんでしょう。

阿野橋を渡って右岸へ

これまで県道20号線を歩いてきましたが、広野郵便局前を通り過ぎたら阿野橋を渡って県道21号線へ。ここからしばらくは、20号線と21号線で鮎喰川をはさむようになっています。

川幅が広くなってきた

左岸側(20号線)は河川敷になっていて川に降りることができますが、右岸側(21号線)はコンクリートの絶壁のみ。ガードレールも低いため、路側帯を歩いてて足がもつれて川面にまっさかさま…、という危険性もあります。

神山町終わり

約1日滞在した神山町ともお別れ。

ここからは徳島市

徳島に来たなら阿波おどりを見物したい。なかでも徳島市の阿波踊りは最大規模だとかいう話なんですが、残念ながら3日ほど早かったようなんです。(毎年8月12日~15日開催)

大日寺まで2km

駐車場の大きなコンビニで小休憩。

セブン-イレブン 徳島入田町店

このセブン-イレブンの裏手が川岸なので、川遊びの人たちで繁盛しています。

ついに到着

22km、時間にしてちょうど5時間で大日寺に着きました。大日寺の向かい側には一宮神社があります。かつて札所があった場所です。

一宮神社

寺じゃないのに八十八ヶ所のひとつだったなんて。さて、大日寺。

大日寺本堂

ここの御朱印は変わっています。納経の証(代わり)として押される御朱印ですが、これまでは3種類のハンコをポンポンポンと押していました。しかし大日寺のものは、3つ一気に押せるように改造されていました。はたして世間の方がこの情報を必要としているだろうかという気もしますが、念のため伝えました。

水子地蔵

時刻は12:40。ここのあたりは四国八十八ヶ所のなかでも寺が密集している地域のひとつなので、納経所が閉まる17時までにしっかり回っておきたい。

第14番札所 常楽寺

大日寺から次の常楽寺までは2.7km。あっという間に着きますな。そうかと思えば26kmの所もある。

これが名西旅館かー

お遍路道には旅館の看板が立っているのを見かける。名西旅館のもよく見かけました。

建物には『新館花はエレベーター 本館は部屋広い』と掲示が。なんだ、標語か?その新館という花も近くにあって、歓迎ボードに『大阪…』と御一行の大学のサークル名が書かれていました。

お地蔵さんを左

鮎喰川に架かる一宮橋を渡っているとき、工事関係者から挨拶されました。

鮎喰川好っきゃなー

この暑い中、子供たちがバスケをしていました。

『楽』のつく寺もわりと多い

途中で沼の横を通る場所があるんですが、この世の果てみたいに汚かったです。『汚沼(おぬま)』と名付けたいほどの沼でした。まあ、どうでもいいですね。

常楽寺山門

聖闘士星矢のサンクチュアリのような山門ですね。

階段にくぼみがあるようなんですが、訪れた人々によってすり減ったのかもしれません。

足跡?

境内にはお遍路さんの姿が1人2人。のどかな感じです。

調度品のような休憩所

お賽銭箱の上の鐘を鳴らす綱(鈴緒)に、布がたくさん巻き付いていました。

本堂の鈴緒

この布は赤ちゃんに使うよだれかけだそうです。

あと、このお寺の周りでは猫を多く見かけます。この暑さからなのか、猫たちもバテている様子。僕が納経所に入ろうとすると、その隙に黒猫が入ってきました。納経所は冷房が効いているのです。冷たい床にごろんと伸びていましたが、納経を終えたので引っ張るようにして一緒に出ました。

納経所の前

オッドアイの白猫もいましたが、すぐに逃げていきました。

オッドアイ猫

次の国分寺までは、たった800m!同じ境内にあるらしい第68番神恵院と第69番観音寺の間の距離には及びませんが、ここもあっという間に着いてしまいます。

第15番札所 国分寺

皆さん知ってました?『国分寺』という名前の寺は、八十八ヶ所の中に4つもあるんですよ。しかも各県に1つずつ。

すべての寺の間が800mだったら3日で終わるな

そんなことをいっているうちに着きました。

国分寺山門

平地にあるのに“山門”て言われているのは、昔は寺は山岳地帯に建てられて、山号を付けて呼んだその名残だそうです。わかりやすいところで言えば、『比叡山延暦寺』とかです。

『阿波国分寺』とも言うらしいです。ちなみに山号は『薬王山』。

鐘楼

納経所が敷地の端にあるのですが、小僧がこっちだよと案内してくれます。こんな小僧も売っているんですね。

片手挙げ小僧

あと、納経所のインターホンが暑さで(?)へんてこな音を出していたのが気になりました。気になる人は現地まで聴きに行ってください。

今日は井戸寺まで行ける(地図のキロ数はおそらく車遍路時のもの)

ここから北へ進むんですね。不思議なことに、藤井寺のあたりから方向感覚がなくなっています。

国分寺の境内の木を刈る植木職人

国分寺の庭園は国の名勝となっているらしい。

第16番札所 観音寺

次の観音寺への向かっているときに、アメリカから来ているというご夫婦お遍路さんに道を聞かれました。下の写真に写っている方です。

右は徳島南環状道路(国道192号線)

僕ももちろん初めての道なので、指で方角を示して、「この方向でたぶんOK!」と言うことしかできませんが、迷うような距離ではありませんので大丈夫です。お遍路には割と外国の方も多く来ているようで、「こんにちは」と挨拶すれば「こんにちは」で返してくれます。

狭い路地にある観音寺

観音寺 山門


作務衣を着た納経所のおばちゃんが、次の井戸寺からその次の恩山寺への涼しい道を教えてくれました。徳島市の市街地を通る国道を使わない、そのルートは『地蔵越遍路道』と呼ばれているらしいです。今日は井戸寺までの予定なので。明日はその道を通ることにしましょう。

第17番札所 井戸寺

今日は井戸寺の宿坊に泊まりたいと思っており、もし現時点でも空きがあるならと思い電話をしてみました。しかし僕が勘違いしていたのか、何かで見たのかはわかりませんが、井戸寺には宿坊はありませんでした。ですが、泊まる場所はあるとのことでした。予約はいらないので、来て見てみたらとのお話でした。

井戸寺も住宅街の中の寺のよう

Googleマップで確認した井戸寺へルートを頼りにしていると、ある家の前にいたマダムが「もっと先まで行ってから曲がったほうがいい」と教えてくれました。「なんか、よくケータイ見ながらここの道通って行くけどそれは間違ってる」らしいです。ただし、このマダムとは必ずエンカウントできるわけじゃないので、みなさんはしっかり路傍の道しるべを頼りにすれば問題ないかと思います。

JR徳島線

国道沿いのマルナカ(四国のスーパー)に寄って飲み物を買ったら、レジの方に「お気をつけて回ってください」と言われ結構嬉しかったです。

JRの線路を越えて北へ。そして、16時に今日の最終札所井戸寺に到着!

井戸寺 山門

(あとで思い出してツイートしたので、実際の時間とズレています)

井戸寺の手水舎

こちらには、大師が錫杖で掘ったとされる伝説の井戸があります。この井戸で水不足の村を救ったことから、それまでの寺名が井戸寺に変わったそうです。

面影の井戸

なおこの井戸を覗き込んだ時に、もし水面に自分の姿が映らなければ、3年以内に不幸が訪れるとのこと。いやいや、「3年以内に不幸かー」とか思う前に、映らなかった自分の存在を疑うわ。

納経所で宿をお借りしたいと告げると、通夜堂を案内していただきました。布団以外何もないよと前置きされましたが、寝る場所だけあればと思っているので問題ありません。

 お遍路POINT その14
通夜堂とは、一般的には『夜を通して仏事を勤行するために、寺の境内に設置されたお堂』のことですが、四国では歩き遍路が無料で宿泊できる場合があります。善根宿と並んで、歩き遍路の強い味方。

井戸寺の通夜堂

「暑くなってるから、しばらくドアを開けて風を入れた方がいい」と言われ案内された通夜堂は、本堂と太子堂に挟まれた場所にあります。特にこちらを『通夜堂』と言ってもいなかった気もしますが、中には布団が用意されているほか、照明もコンセントも完備されている遍路の身としてはとても助かるスペースです。

通夜堂内は3畳ほど

この小部屋で荷物を整理していると、近所のおばあちゃん2人がこちらで話をしましょうと呼んでくれました。そこにちょうど逆打ち遍路の人(40歳くらいの男性)が加わって、1,2時間はしゃべっていました。

逆打ち遍路氏の話によると、お遍路さんの中には、88番大窪寺に着いた足で1番大窪寺に戻り、そのまま2周目に突入する人もいるらしいです。…なんだ、そのエンドレスな苦行は。目標を決めて進むことが励みになるように、終わりがあるから頑張れるんじゃないのでしょうか、人間って。

まあとにかく、寺を回るといいことがあるらしいです。1人のおばあちゃんは、東京に住む息子さんがある有名製薬会社の重役していて、そこまで昇りつめたのもこの寺で祈り続けているからと仰ります。すべて回ったら必ず成功するよと太鼓判を押して、金の納札をくれました。(50回まわると使える納札)

巾着袋、金の納札、お菓子のお接待

もう一人のおばあちゃんは、手作りの巾着袋をくれました。なんともキュートなメガネ柄です。今までバラバラに持ち歩いていた納経帳・ろうそく・線香なんかを入れれば、ひとつにまとまり重宝しそうです。

やはり地元の方と触れ合えるのはお遍路の醍醐味ですね。このあと、近場の銭湯に行って、ご飯を食べて戻ってきたのが辺りが暗闇に包まれた22時。スマホの明かりを頼りに通夜堂へ戻ろうとすると、肝試しっぽい若い男女と鉢合わせしました。「キャーッ」って叫ばれました。

僕もこんな時間に人がいると思っていないので、笑うしかなかったです。さらに、通夜堂の中から網戸越しに外を見ていると、人影らしきものがずっと座っているんです。しばらくすると消えていたのですが、なんだかすごく落ち着かない。

しまいには真横の大師堂で手を合わせる人影が突然見えた時には、声が出そうになりました。暑いので窓もドアも閉められないので、向こうからも「人がいるかも」と思われているかもしれません。そして蚊の羽音が聞こえた次の瞬間には、僕は思わず通夜堂を飛び出していたのでした…。

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