小野照崎神社の『お山開き』に行ってきた
東京都台東区下谷の小野照崎神社に行ってきました。こちらでは、毎年6月30日と7月1日の2日間だけ、境内にある“富士山”に登ることができるのです。「神社の中に富士山?」と思ったでしょうから簡単に説明します。限定の御朱印ももらってきました。
まず、“富士塚”というものをご存知でしょうか。富士山に模して造営された人工の山や塚のことです。
その昔、富士山に登って天下太平を祈願したら世の乱れが治まった事から、富士信仰が起こりました。やがて江戸で広まった富士信仰の信者が、浄財を募って富士山の岩石でこの地に富士塚を作り上げたのだとか。麓には浅間神社も奉斎されています。1782年の事だとさ。
巷間ささやかれている情報ではこの登拝で、富士山に登ったのと同じだけの功徳と御利益があるのだとか。登るしかないっしょ。
僕が訪れたのは6月30日。土曜日ということもあり、大変にぎわっております。
なんでもここは、あの小野篁を主祭神として祀っているとか。小野篁といえば、祖先に小野妹子をもち子孫に小野小町をもつことで有名です。百人一首の『わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海士の釣り舟』の詠み人としてもマジリスペクトっすよね。
境内の中央に茅の輪が置かれています。
祭礼が終わったらくぐれるようになります。
8の字を描くようにくぐりぬけましょう。
庚申塚。
稲荷神社と織姫神社。神社の中に神社があるなんて不思議ですね。
実は8年前の6月30日にも、ここに来たことがあります。富士山に登る前の登頂祈願として訪れました。
時刻は午前10時。開山式の時間となりました。式の参列者に『形代』が配られます。
境内が静まる中、粛々と神事が執り行われます。
御仮屋でシャンシャン。
8年前と比べて、参列者の数が多くなった気がしますね。
ハロが出現。(この日、各地で観測されたそう)
御仮屋。
榊。
茅の輪くぐりが始まりました。
宮司さんを先頭に、さらに氏子の方々が続きます。
いよいよメインイベント。お山開きスタートです。
富士塚は高さ5m。地名から『下谷坂本富士』とも呼ばれています。
ちゃんと合目表示もあります。
つづら折りに登れるように作られています。
八合目。
頂上からの眺め。この方角に本物の富士山があるとのこと。
下山は別のルートを通ります。
登り終えてひと息ついていると、また別の場所に人だかりができていることに気付きました。どうやら、“御朱印”を求めての行列のようです。
最近ブームになっていますもんね、御朱印集め。しかも、『お山開き』仕様の限定御朱印ときた。これは並ぶしかない。
お遍路をしたときに納経帳を持ち歩いていましたが、神社の御朱印ははじめてです。
かれこれ2時間並びました。
ついに御朱印デビューしてしまった。。右は小野照崎神社の通常の御朱印。左は1年で2日間だけの『お山開き』御朱印。御朱印帳1,000円、各御朱印500円。
夕方以降は空いてくるので、富士塚にも並ばずに登ることができます。登拝は午後8時まで。
翌日の7月1日に閉山となります。
午後4時からは拝殿で大祓式が行われます。大祓詞の奏上のあと、形代に罪や穢れを移してお祓いしてもらいます。
シャンシャンしてます。この時期はとても暑いですし、このようなイベントの日となると、朝から晩までひっきりなしに参拝客が訪れます。神職というのも大変な仕事だなと感じた一日でした。