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北海道民「百人一首やるぞ~」他県民「は?なにコレ」【下の句かるた】
僕のふるさと北海道には独自の道を歩んだ百人一首があります。他県民が見たら「は?なにコレ?これが百人一首なの」と言うこと請け合いです。僕が大好きなその北海道の百人一首を全国に広めたい。
道産子の百人一首といえばコレ
我が一族の間で使われている、年季の入った百人一首があります。祝い事なんかで集まった時に誰かがなんとなくひっぱり出してきて、老若入り乱れて札を取り合ったものです。
今現在いとこの家にあったので、このために送ってもらいました。これが北海道の百人一首だ!
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ドーン!
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『全日本下の句歌留多協会指定』のお墨付き。下の句かるたとは何かというのは後述します。
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まず一番伝えたいのは取り札の筆文字の素晴らしさ。流麗な字体がインパクト大ですよね。そして、それが木の札に書き込まれているのが北海道の百人一首の特徴です。
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全部出してみましょう。
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これこれ、ドミノだったあの頃が懐かしい。乱雑な扱いを受け続けて今なお現役。ホオノキという木材で作られてるみたいです。
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見よ、額に貼れば妖怪もフリーズしそうなこの迫力を!
簡単にルール紹介
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左が取り札です。下の句(『五・七・五・七・七』の『七・七』の部分)が書かれています。一般的な百人一首の取り札がひらがなのみで書かれているのに対して、崩し字で漢字もバンバン使っています。
右が読み札です。読み手が読み上げるのは下の句だけなんです。一般的な百人一首は頭から読み上げますよね。イメージしやすいように画像を作ってみました。
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僕は下の句かるたのルールで育ってきており、読まれたものをそのまま取ればいいと思っていたので、上京して上の句と下の句を両方覚えないと相手に勝てないと聞いたときはびっくりしましたね。内地レベルたけー!と思った瞬間でした。
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乙女のやつ、いとこの姉ちゃん好きだったよなー。『乙女の』以降のごにょごにょしている文字、崩しすぎて読めないですね。
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これにいたってはでっかい文字も読みづらい。調べてみると、『流れも』を『流連も』と表記しているようです。これは変体仮名を使っているのです。『れ』という文字は現在『礼』が崩れていったものを「re」と発音しています。かつては『連』が崩れたこの文字も「re」と発音されていたのですが、明治になって「re」は『れ』という文字を使う!と決められてしまい今に至るというのです。
その時のちょっとした決断で光と影の様な今があるなんてかわいそう、変体仮名にもっと日の目を見てほしいと思った人はもう少しお付き合いください。有名なところでは、老舗そば屋の『かんだやぶそば』にも変体仮名が。
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『ぶ』が『婦にてんてん』の変体仮名が使われています。街のいたるところに変体はいるのです。
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あとコレ、『なりけり』で締められていますが『なりける』の間違いでしょうね。ぞ・なむ・や・か・こその時は形が変化するはずですもんね、係り結びって。大人になって改めて見てみると発見があって楽しい。
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室井商店 謹製と書いてますね。また、’78著作権ともありますので、僕が生まれる前から売られていたものです。著作権というワードを見てしまったので気になりました。これからやろうとしている事が室井商店さんの権利を侵してしまうのかどうか。僕は一度も訴えられずに人生を終えたいと思っているので、ここは一応室井商店さんに確認しておきました。
電話でお聞きしたところ、「ビジネス目的じゃなければブログに載せても何してもいいですよ」と許可を頂きました。室井商店さんは会津の会社なんですが、ほぼ北海道からしか注文がないそうです。会津の人々によって北海道の開拓時代に広まったと言われていて、逆に会津では衰退していったとか。なるほど、NHK大河ドラマ『八重の桜』で北海道の百人一首が出てる!とびっくりしたんですが、もともとは会津発祥だったんですね。
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ではさっそくスキャンしていきます。
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文字だけを抽出して、拡大して紙に印刷します。
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紙に合わせて海苔を切ってみました。子供のお弁当にもオススメです。
百人一首のかるたの文字をプリントして海苔を切るという発想はありませんでした!!
将来子どもが百人一首にハマる時が来たら、やってみたいです(*^^)v
面白い!為になる
きりたち下の句かるた
がわかりません(読み方)
ウチにある「北海道の百人一首」は京都のメーカー、あの任天堂製です。
小倉百人一首の読み上げサイトがなかなか無くて困ってます。