
鼻中隔弯曲症の手術をしました【全身麻酔】
私事ですが、2024年の7月に鼻中隔弯曲症の手術をしました。生死にかかわるものではないけれど、全身麻酔を伴うような自分の中では大きな手術でした。この記事では3泊4日の入院生活の様子を備忘録的につづっていきたいと思います。
鼻中隔弯曲症とは
鼻中隔弯曲症とは鼻の病気で、鼻の両穴の間にある壁(鼻中隔)が曲がっていることで年中鼻づまりになってたりするような症状があります。

鼻中隔は誰でもある程度は曲がってたりするものなのですが、曲がりの度合いが激しいとひどい鼻づまりになったりするそうです。僕も昔からどっちかの鼻は空気が通らない状態(どっちなのかはその時々による)でした。2023年に耳鼻科専門の病院で診察してもらったところ、鼻中隔が曲がっていることが原因で鼻の通りが悪いということでした。
2023/6/9 13:00 初診¥8200
平成21年(2009年)が最後とのこと
5年以上間が空いているため、情報更新。待合室で、記入後に問診。
2階で耳、鼻、喉 目視
3階で輪切り検査、鼻の通り確認
2階で検査結果確認:鼻腔には膿はそれほどない、鼻の中のうねうねのせいで左側が狭くて、腫れたときは鼻の通りが悪くなる。(寝る前のリラックスしているときとか)
いったん薬で様子見て、それでも手術したいってなったら相談。診察終了。
(話を聞く限り『鼻中隔湾曲症』か?)
MRIによって鼻の中がうねうねで鼻呼吸がしづらいということがわかりました。この時に処方されたのが以下の薬。
- ・モンテカルスト錠10mg「KM」
- ・ビラノア錠20mg
- ・モメタゾン点鼻液50μg「CEO」112噴霧用 9mg 18g
総じてアレルギー性鼻炎の治療薬として鼻づまりを改善したりするものらしいのですが、まあ気休め程度というか…。これはすみません、正直言うと一時的な紛らわせにもなりませんでした。アレルギー性鼻炎だった記憶もないし、根本(うねうね)が解決していない
「そうは言うても、どっちかの鼻は通ってはるんでしょ?」と両鼻が問題なく通っている関西人は思うかもしれません。いやいや、これがどんなにストレスかわかってますか!(笑)片方の鼻をふさいで数十年過ごすことを想像してください。ヤバいでしょ?しかも、風邪などに罹ったときは鼻腔が腫れてほぼ両鼻とも通らないのです。腫れが引くまでは口呼吸をしなければならなくなります。
とまあ前置きはこのくらいにして…。その状況が1年経過しても変化しなかったので、ついに入院して手術を受けることを決心しました。2024年6月のことです。
入院前にしたこと
2024年6月13日
いろんな検体を採られました。その一部は細菌培養検査にまわるそうです。
また、検査のために入院前に来院することなどを決めた手術前検査・入院適応の承諾書というものに署名。高額療養費制度や限度額認定証(マイナ保険証がない場合に必要)についても少し教えていただきました。
そうそう。私事ですが、この10日後に嗅覚が喪失する事件が起きておりました。ハウスダストの巻き上げが原因だと思うのですが、体調も著しく崩してました。そうなるとこの検査でアレルギー持ちだという結果が出てくるはずです。「あなた、ハウスダストに弱いですよ」と。
2024年7月9日
手術前検査のため通院。先日の検査の結果がこちら。

不思議なことに僕には全くアレルギーがないとの結果でした。ではあの体調不良は何だったのか。嗅覚はいまだに死んでるし。
22日手術(21日入院)のため内科診察
まだやってない検査があるということで嗅覚検査するも7割方わからず。
少し匂い感じても正解かどうか自信なし(答えは教えてもらえない)
執刀予定の先生から手術の説明
アレルギーがなかったため後鼻神経切断術はなくなったが、副鼻腔手術は追加となる。(こっちが希望したため)
Q.歯医者の麻酔はOKか? → 局所麻酔なのでOK
ちなみにこの日手術承諾書というものに署名しています。「予定術式は何々であること、手術が必要なことを理解しました。緊急時には執刀医の裁量にまかせるよ」といったような内容でした。また、麻酔に関する説明書および同意書というものにも同じく7月9日に署名しています。これは「麻酔医から全身麻酔や気管挿管についての説明を受けて同意するよ」という内容でしたね。
入院1日目
撮影日 | 2024年7月21日 |
---|
10:00 入院スタート
手術の前日、前述の耳鼻科専門病院の入院して食堂に案内されるところから書いていきます。
食堂では病棟の看護師さんから入院に関する説明を受け、同時に必要な書類を提出します。入院証書・入院誓約書・入院中の個人情報保護について・室料差額支払承諾書など様々な書類に署名が必要なんです。手術って大変ですね~。

このときに入院診療計画書というものに署名しました。ここに書かれていた正式な病名は以下の通り。
- ・鼻中隔弯曲症
- ・両 肥厚性鼻炎

当たり前ですけど禁煙ですね。手術が決まったらすぐに禁煙、最低でも手術の2週間前から禁煙するようにお願いされてます。
12:00 昼食

さっそく昼食の時間です。別の階に食堂があるのですが、新型コロナウイルス感染症の観点から食堂ではなく部屋で食事を摂るようになっていました。
入院の中に食事が組み込まれています。間食はある程度自由なのですが、サプリメント(プロテイン含む)の摂取は2週間前から中止です。もし、普段から服用している薬があるなら看護師さんに必ず事前に渡しておきましょう。入院期間中は、しっかり服用のタイミングまで管理してもらえるので安心です。

バランスの取れたおいしい和食です。ちなみに朝はごはん食とパン食が半々の割合です。
入院時には4人部屋のうち僕入れて3人がいました。なんとあと一人で満床です。一方、6人部屋は誰もいませんでした。差額ベッド代のかからない6人部屋ではなく、あえて差額ベッド代5,500円(税込)を上乗せした4人部屋にしたのですが失敗でした。6人部屋のままだったら差額ベッド代0円で部屋を独り占めできたのに!と思ったりもしました。
18:00 夕食

普段は好きな食べ物中心の食生活なので、入院生活を機に血液の数値も改善されるとうれしい。さて、明日は手術日で朝食も昼食もありません。(全身麻酔から意識が戻らなければこれが最期の食事かと思ってみたり)

食べ物は24時まで、飲み物は24時から朝10時までで500mlしか口にすることができません。朝10時からはすべての飲食が禁止。(ただ個人的にはそこまで苦痛ではありませんでした。)


食事をすることはない食堂ですが、話をしたり新聞やテレビを見たりバルコニーに出たりして思い思いに憩えます。

この病院では男性と女性は別の階に入院しますが、食堂は一堂に会して休憩できます。男女の割合も同じくらいな気がしました。
20:30 シャワー浴

入院生活の数少ない楽しみの一つ(にならざるを得ない)がシャワー浴。明日はシャワー浴できませんのでしっかり入っておきます。
22:00 消灯

手術のことを考えてしまい眠れなくなることもあることから、不安や緊張をやわらげる効果がある薬が処方されます。(飲んでも飲まなくても自由)
入院2日目(手術当日)
撮影日 | 2024年7月22日 |
---|
7:00 起床
人生がうまくいかないのはおそらく鼻中隔弯曲症のせいなので、これでもう完全に勝利すると思ったら最高に楽しみです。
10:00 点滴

なんの効果があるのかはわかってませんが点滴を受けます。
先にも述べましたが、手術中は全身麻酔になります。眠った状態で手術を受けるため術中の痛みはないようです。そんな中漏らしてもいいように紙パンツの着用は必須です。

ちなみに尿道へのカテーテルはありません。病院にもよるのでしょうが、手術時間が4時間を超える場合にカテーテルを尿道に挿入するとのことらしいです。(僕の手術時間は1時間30分予定)
精神的にも肉体的にも尿道カテーテルはしんどそうだ…。
12:45 入室
看護師さんに付き添われて歩いて手術室へ向かいます。エレベーターで手術室のある階へ。

明るい手術室にはすでに執刀医(主治医)の先生や複数の看護師さんがいらっしゃってて、手術室の入り口で何か書面にチェックを入れたような気がします。たぶん体調に問題がないとかそんな感じのこと。
予定術式(手術内容)は以下の通り。
- ・内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型
- ・両 内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型
手術台の上であおむけになると麻酔医が僕の顔にマスクを当てます。点滴からは眠くなる薬が入ってきます。頭の中で10秒カウントしようと思ってたんですが、3秒くらいからはもうどうでもよくなって眠りの中に落ちていきました。その直後、あおむけの状態は変わっていないものの場面は薄明るい部屋に切り替わっており、看護師さんから「手術終わりましたよ~」という声をかけられました。執刀医の先生も声をかけに来てくれたかもしれません。
多くの経験談で見聞きする「麻酔を注入されて気づいたら終わってた」という状況とまさに同じでした。驚くと同時に、無痛のうちに手術が終わったという嬉しさと、戻ってこれた安堵と、術前の不安から解放された喜びを感じました。目線の先には時計があり、詳細な時間経過を覚えておくことができました。
12:45 入室
12:55? 手術開始、記憶失う
14:05 手術終了
14:30 6階へ
14:40 記憶戻る
│ その場で仮眠
15:40 あと1時間は酸素吸入つけたままでと言われる
16:40 酸素吸入外す すこしベッドの頭側をあげてもらうが、暑くて大勢い所を余儀なくされる感じがつらい時間だ。すこし横向いてもいい。
17:30 部屋へ
記憶が戻ったときには酸素吸入器が付けられている状態でした。また、手術後でよく言われる「寒い」とか「気持ち悪い」とかは感じませんでした。漏らしてもいませんでした。
どんな手術が行われていたかというと、
- 鼻中隔粘膜を切開して鼻中隔軟骨から剝離する
- 弯曲した鼻中隔軟骨や上下の骨を切除して粘膜を戻す
- 両側から圧迫のため「溶けていく綿状の止血材料」をパッキングして固定
- 綿球でふたをしてガーゼをかぶせて終わり
といった内容でした。この「溶けていく綿状の止血材料」を触った感じ、弾力のあるグミのような物体でした。
エレベータに乗り込み部屋に戻り、紙パンツをトイレ内の専用ゴミ箱へ捨てに行く。手術後なのに自由に動けます。そうこうしているうちに夕食の時間となりました。
18:00 夕食(全粥)
手術後なので上げ膳下げ膳してもらいました。

一日ぶりの食事ということもあり、この全粥の回復食がめっぽうおいしく感じました。麻酔の効果はもうないと思われますが、食事に影響を与えるような痛みはありません。患部に触れば別だけど、固定してあるものをむやみに触るバカはいないしね。ただ完全に鼻閉ですので、口呼吸をしなければなりません。はぁはぁと口呼吸をしながら咀嚼して、という繰り返しが思いのほか疲れました。あと、ものを飲み込むたびに耳が詰まったり音がしたりなど中耳の圧力を調整をしていることで、普段は意外と鼻から空気が出ていたんだと気づかされました。

鼻に入れる綿球とガーゼをもらいました。最初のうちは血と浸出液が混ざったようなのようなものですぐに湿るので、数十分に一回は取り換えてたかな。朝と寝る前には細菌の増殖を防ぐ『ゲンタシン軟膏0.1%』というチューブ薬を塗布してから詰めねばならず、コレ地味にめんどくさいんですよね。
22:00 消灯

点滴(抗生剤の投与)も終わり、寝る前用の薬が処方されました。
- ・ロキソニン錠60mg(極薄紅)
- ・セレスタミン配合錠(白)
- ・シングレア錠10mg(明灰黄)
- ・ルパフィン錠10mg(淡黄赤)
痛み抑えたり、炎症抑えたり、アレルギー抑えたり、ヒスタミン作用抑えたりする薬のようです。
この日は布団に入ってからもうまく寝付けませんでした。痛みが原因ではありません。両鼻が完全に鼻閉状態なので口呼吸状態で眠ることになるのですが、うまく気道の確保ができないのか一定時間ごとに呼吸が苦しくなり自分のいびきで目が覚めるのです。ちなみに同部屋の入院患者のいびきはさほど気になりませんでした。もうしょうがないんで、頭側の壁を背もたれにしたり右へ左へ体勢を変えたりしながら朝を迎えました。長い夜でした。
入院3日目
撮影日 | 2024年7月23日 |
---|
7:00 起床
朝の検温のあと朝食。
8:00 朝食

おかゆではない通常通りの朝食でした。朝食後の薬も処方されました。
- ・ロキソニン錠60mg(極薄紅)
- ・ムコスタ錠100mg(白)
- ・ムコダイン錠500mg(白:割線模様)
痛み抑えたり、胃粘液や胃粘膜の血流量を増やしたり、痰を出しやすくしたりする薬のようです。
執刀医の先生が部屋まで様子を見に来てくれました。この先生、おそらく僕より若いんですよね。でもすごく落ち着いてて、僕はとても信頼してます。
9:15 診察
朝の診察のため5階へ。執刀医とは別の先生から「出血もないし大丈夫ですね」との診断。
このとき喉に違和感があり鏡で確認したところ、血の塊のようなものが垂れ下がって見えていました。抗生剤の点滴を受けながら看護師さんに目視してもらうと、主治医に昼食後に見てもらうようにするとのこと。おそらくパッキングの一部だろうということだったが、お茶飲んでるうちに喉の下に落ちていきました。つまり飲み込んでしまいました。
12:00 昼食

点滴中ということで上げ膳下げ膳をしてもらいました。主治医の先生にさっきの喉の話を看護師さんにしてもらい、「飲んでも問題ない」とご教示いただく。10日後に通院決まり、その日から綿球取り換え作業なくなるかもとのこと。

鼻の手術のFAQをもらいました。鼻の奥にパッキングされている溶ける止血材は、依然として僕を完全鼻閉状態にしている。
13:30 シャワー浴

2日ぶりのシャワールームへ。点滴の針が埋め込まれている箇所をガードするため、ビニールカバーをかけてもらいました。
退院後は自分で鼻洗浄をすることになります。ハナクリーンαという鼻洗浄の器具を購入することを勧められました。
涼しい院内では気付かなかったですが、ベランダは夏らしい気温(真夏日)でした。ハナクリーンαの価格をその場で門前薬局に電話確認、8,000円とのこと。Amazonだと5,427円、ポチる。

あと、いつのまにか初老の男性が1人入院してきていました。しかも、6人部屋を独り占めのようでうらやましい。逆に4人部屋は1人が退院していきました。
18:00 昼食

入院4日目(退院日)
撮影日 | 2024年7月24日 |
---|
7:00 起床

この日は退院日。予備の綿球とガーゼをもらっておきます。まだまた消費するだろうけど、昨日より交換の頻度は下がっています。
8:00 朝食

朝食のバリエーションに患者を飽きさせない工夫を感じます。

最後の点滴(抗生剤)。持ち帰り用の約1週間分の薬を処方されました。
- ・ムコダイン錠500mg
- ・クラリス錠200
- ・シングレア錠10mg
- ・ルパフィン錠10mg
- ・ゲンタシン軟膏0.1%
- ・ロキソニン錠60mg
クラリス錠200は、病原菌の発育を抑制する薬のようです。
10:00 退院
3泊4日の入院生活を終え退院です。普通にしてる限り痛みは全くありません。薬も効いているのでしょう。
その後…
2024年7月25日(術後1日目)

前日にハナクリーンαが届いていたので使ってみました。
痛み全くなし。
朝、鼻洗浄始める
7時ごろに1回目
パッキング見えてるがそこにノズル突っ込んで生理食塩水放出
ずるずるとパッキング出る
はじめて鼻から息する
全部は出た感じがしない
鼻を思い切りかむのは止しておく。綿球いれとく。
9時ごろに2回目
あまり出ない。まだ残しておいた方がいいだろう。
残ってる感じは違和感あるがしょうがない。
1週間後にはすっきりしていることを信じて、生理食塩水だけ出し切って、綿球いれとく。
12時ごろに3回目
どろどろしたものはほとんど出ない。生理食塩水を逃しているだけって感じ。残り感もあるが、お茶とかの匂いは感じるので嬉しい。綿球いれとく。
2024年7月28日(術後6日目)
鼻洗浄は1日3、4回やってる。ゼリー状の粘着質が出た。こういうことがよくある。こうして少しずつ溶け出ているのだろう。
両鼻とも奥のほうに透明っぽい糸の結びが見える。右鼻の奥に固着物が昨日から見える。呼吸阻害してそうな雰囲気。いつ取れるのだろうか。
匂いは以前のように戻ってきつつあると思う。ひとしきり嗅ぎおわったら、常に綿球詰めるようにしている。
2024年7月30日(術後8日目)
退院後の初通院。
14:35ごろ 診察室5
吸引 ファイバーカメラ 吸引
鼻呼吸を邪魔するものある感じがしていたが、スッキリした。
経過は順調とのこと。
まだ糸は残っているが問題ない。そのうちなくなる。
綿球はもうしなくていい。飲み薬はなしで、スプレーになるようだ。
次回は1ヶ月後でとのこと。特に日時は約束せず。
2024年8月30日(術後39日目)
退院後の2度目の通院。
飛び出ている長い糸を切ってくれる。
空間も広がってるし問題なさそうなので、通院は一旦終わりで大丈夫なので、何かあれば来てください とのこと。
吸引の薬も出さない。鼻洗浄も義務ではないので、すっきりしたいときにすればいいとのこと。
半年後のまとめ
手術から約1か月ほどで最後の抜歯が終わり、それからは手術前の生活に戻りました。ひとつ違うのは、両鼻で呼吸ができるようになってる!ということ。人に薦めたいかというともちろんYESですね。術後半年経ってますが朝昼晩両鼻通ってるし、僕にとって悪いことは何ひとつ無かったと断言できます。しいて言うと、…いや全くないんですなコレが。(人によっては鼻が通ることで乾燥感を訴える人もいるそうです。)
あと、金銭面でもよかった。健康保険で医療費を抑えられますし、生命保険の給付金が自己負担額より大幅に上回っていました。入院中の手術は外来の手術より給付額が大きくなるようです。