しもつかれコンテストを見に栃木県まで行ってきました
撮影日 | 2012年2月11日 |
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※本記事は2012年に開催された第12回しもつかれコンテストのレポートです。
「しもつかれコンテスト」を見るために、栃木県日光市に行ってきました。しもつかれとは、…いや先にあの話をした方がいいかなあ。
「栃木にはしもつかれという郷土料理がある」と聞いたのは今から2年前(2010年)のことです。この発言の主は栃木出身なのですが、トラウマでもあるのか、しもつかれに対して口汚くののしっているのです。ひとしきり罵倒を終えると虚空を見つめ少し震えていた、ような気もします。
どうやらネット上での評判もすこぶる悪いのです。いやしかし、そんなものが代々受け継がれて郷土料理として存在してるのには理由があるはず。第一、人にはそれぞれ味覚の違いがあります。それに自分がネガキャンやステマには踊らされないタイプの人間であると信じていたいのです。そこで実際に現地へ行ってしもつかれの実態に迫り、もやもやを晴らす事にしました。
どこでしもつかれを食せるのか調べたところ、2月11日に日光市でしもつかれの味を競うイベントがあるとわかりました。その名も「全日本しもつかれコンテスト」。全国規模!?コンテスト!?久しぶりに聞いた。行くしかない。
優勝者には「しもつかれの鉄人」の称号が与えられるそうです。期待と不安を抱え、会場に近い今市駅に降り立ちました。
2012年2月11日、快晴。雪を冠した山々が美しい。かの有名な男体山でしょうか。
この日国道沿いの商店街は、新春恒例の花市とやらで賑わっていました。
そして造り酒屋の前では甘酒が振る舞われていました。
コンテスト会場であるプラチナホームいまいちに到着。
表では歴代優勝者のしもつかれを販売していました。
開場10分前でこの行列。この熱気、他県に漏れ出ず。
しもつかれの作り方の掲示物が。
しもつかれ材料
塩鮭の頭・大根・人参・大豆・油揚げ・酒粕・醤油・塩・酒
塩鮭の頭ってのが気になるけど、いたってよくある食材です。
一時間半ほど並んで会場内へ入ることが出来ました。
今市おかみさん会の方がお出迎え。おかみさんの顔を隠すスタンプには今市おかみさん会のイメージキャラクターを使わせていただいております。アニメ「攻殻機動隊 S.A.C.」の笑い男事件のようになってしまいました。(笑)
おかみさんから試食のトレーとスプーン、投票用紙をもらいました。なるほど、一般来場者の投票で優勝者を決めるんですね。
聞くところによると、一年に一回行われるこのしもつかれコンテストは今回で12回目を迎えるようで、我こそはという30人の出場者で味を競うそうですよ。
ではでは、今回の主役しもつかれの一挙登場だー!ドーン!
僕も試食をしてみます。すると食べた瞬間、意外な味にびっくり。見た目ほど酸っぱくはなく、味も思ってた以上においしく、切り干し大根の煮物を思い出させる味付けでした。大豆が美味いです。大豆を中心に食べてました。なぜ酸っぱそうに見えたのかは僕の口からは言えません。
材料が細かく刻まれて煮込まれているらしく、危惧していた「鮭の頭がこんにちは」みたいな状況はありませんでした。また、甘みには差が割とあり、その辺も家庭によって違うんだなあと思いました。
ただ、とあるしもつかれを食べた時「ジャリッ!」っとした歯ごたえに衝撃を受けました。あれは何だったのでしょうか。譬えるなら、見通しが利かない真夜中の海岸でなんか生き物を踏んづけたようなびくっと感。うん、まあそういう時もあるよねと言い聞かせて、飲み込んで忘れようとしました。全く問題ありません。
あらかじめ予習していましたし、「見た目」も抵抗ないつもりでした。だけど、机や床にこぼすのはやめろー!落とした奴、ちゃんと新聞紙をかけておけ!いや新聞紙は駄目だ!一回落ち着こう!
ふぅ…。
なるべく、「しもつかれが落ちている」と意識し続けて事なきを得ました。
投票方法は実にシンプル。プラスチック容器にマジックで番号が書かれていますので、一番おいしいと思ったしもつかれの番号を書いて投票するだけです。この記事では順番通りに容器の画像を並べていますが、公平を期すためか、実際にはランダムに配置する徹底ぶり。もちろん客には誰の作品かというのはわかりません。
これ見よがしに置かれた入賞賞品たちが、まるで鉄人たちの士気をあおっているようです。
投票を済ませ、お水を飲みました。他意はありません。
そして厳正なる開票の結果が2階で発表されました。私が投票した人は敢闘賞(6位)に表彰されていました。
毎年出品していて今回初めて入賞したという方がいて、スタッフのおかみさんたちも一緒になって喜んでいるのがとても微笑ましく感じられました。しもつかれに賭ける人々の熱意が垣間見えました。
表彰式は終始和やかに執り行われ、しもつかれの継承と地域文化のますますの発展を願うムードに包まれました。今年も一人、栃木に「しもつかれの鉄人」が誕生しました。
しもつかれは地元民に愛されています。若い世代が敬遠するのもまた郷土料理と言えるのかもしれません。
かくして、しもつかれの実態調査は終わりました。ところが胸のもやもやが消えません。原因に気づきました。あの、よく考えたら僕、人ん家のおにぎりとか、そういうの苦手なんですよね…、ズコー!!!こういうタイプの人は市販のものから入る方がいいかも!